2015年3月9日月曜日

ゴルフ~心の安寧を保つために

ゴルフは難しい。

円いボールがさまざまに転び、思わぬところに行く。

たかが直径4㎝に心乱され、それでも進めていく。

このところ、しみじみ思うのは、ゴルフというスポーツは

こんなはずでは

との闘いなんだろう、ということ。

こんなはずでは」と心の安寧が失われ、欲が出て、力んで、

ミスショットして、焦ってと悪いスパイラルにはまる。

これは煩悩との闘いともいうのだろうか。


我々は「努力すれば報われる」という教育で育ってきた。

もう少し言えば

「よい努力は良い結果を産む」

ということかしら。



だから「ゴルフも練習すれば、上手くなる」と思ってきた。

●練習場で土日必ず2カゴは打っていた

●毎日50回の素振りは欠かさなかった

●パッティング練習で30球連続で入れる練習してた

●レッスンプロに治され、褒められた

●練習場で「こう打てばいいのか」と悟った


などなど、様々な努力や練習をして、これならいいショット

が打てる、とコースに臨む。すなわち

   「練習」という努力をたくさんしたから

   「こう打てば上手くいく」と分かった(悟った)。

   だから結果として全てのショットはプロ並みになり、

   見違えるようなスコアになる。



本番前夜、床に入って、様々に空想を巡らせる。

皆、悟った自分のショットを見てきっと言うだろう。

「こいつ、いつの間にこんなに上手くなったのだ」とか、

「パープレイに近いスコアだぜ、こんなの見たこともない」など

自分を下に見ていた連中が羨望の眼差しで見る、かも(笑)。


でも現実には、本番スタートホールの第1打がいきなりドフックの

OB、あるいは、大チョロだったりすると

こんなはずでは

という言葉が頭を駆け巡り、後は訳が分からなくなる。

んでもって、挽回しようと力んで、悪のスパイラル。上がって

見れば、前回より、というよりワーストに近いスコアだったり

する。他の連中に「おい、練習はちゃんとしてるんだよな

など言われたら、家に帰ってクラブもゴルフ番組も見なくなく

なる、という経験をしてた。


おニューのドライバーなんかもそうだ。なんとか230ヤードは

普通に飛ばしたいと、ゴルフショップに駆け込む。

新ドライバーを手にゴルフショップの試打室で何度か打ってると

いい感触。スタッフが、少々甘いゴルフショット計測器で

「お客さん、見てくださいよ、そのドライバーなら、ヘッドスピード

は45に近いし、飛距離も250近く、しかも、真っ直ぐフェアウエイ

に飛んでますわ」

などと言われると、買った、「明日はホームランだ(古い)」

となる。


それが、筆おろしの本番では「思ったほど」飛距離が出ず

こんなはずでは

と次のホールは力んでOBとなると

「やはり、力んではダメか、以前のように軽く振るんだ」

と思い返す。

前のスイングに戻したはずなのに、以前よりも飛ばず。

おニューなのに。そんなこんなでアイアンもおかしくなり、

上がってみれば、前回の方がよかった、というスコア。

帰りに「前のドライバーの方がいいや」となる。


よくゴルフ雑誌やネットにある「このショットであっという間に

80台」とか、これを習得したら簡単に100が切れた、という

謳い文句がある。「簡単に上手くなる」「一発逆転のショット」

「努力しないで突然上手くなる」のフレーズが好きな欲張り

ゴルファー(私も含め)がなんて多いんだろう。



ゴルフはボールが円いせいか、人間が機械でないせいか、

クラブが合わないせいか、同伴者のせいか、気温・風・

樹木・芝生など不確定性要素が多すぎるせいか、努力が

足りないせいか、間違った努力をしているせいか、本人が

余り利口でないせいか、「簡単には」はもちろん、「劇的」に

は決してスコアは良くならない。ましてや、悟りの一発

ですべてOK、などというのはまずない。


すなわち、打たれた球は我々の

努力や過去や望みはどーでもよくて、現実しか見せない

のだ。

だから現実を見つめるしかないのだ、と悟る(笑い)。


打とうとするボールの「現実」を見つめる、とは

100%の現実 + 10%の希望

であり、10%とは謙虚に謙虚に

打てればよい→ラフ近傍でも良しとしよう

進めばよい→手前60ヤードでも進めば良しとしよう

乗ればよい→グリーンに乗りさえすれば良しとしよう

近づけばよい→カップ50センチなんて望みません


程度で挑むのが力みも出ず一番なのだろう。

チョロしちゃいけない、ではなくて、

チョロっても、前に進んだ、と思えば、焦ることもなく

心の安寧を保つことができる。


 
上図のように同じ結果でも、気持ちの持ちようによって、

「よし、これでいい」とも「こんなはずでは」ともなる。

この後の結果は推して知るべしで、同じ結果なのに、狼狽は

次のショットの悪影響を及ぼすことが多い。

毎日毎日チーム組んで練習している職業プロだって

めったにないような

170ヤードをナイスオンのべたピンのバーディー

を普通のアマチュアゴルファーが狙おうなんて(^^;

アメリカツアープロの試合見てたって、そんなあまりない。

プロでも珍しい。だから、テレビは絵にすんだよ。



100%以上の希望は勝手だけど、

ぜっーたいに失敗するのが目に見えているし、

心の安寧は保てない。